AIでブラックホールを衝突させる!VRChatで語られた「王道」の開発術
詳細情報
| 日時 | 2026年05月21日 22:00 - 22:30 |
|---|---|
| テーマ | Claude Code でブラックホールを衝突させたらAI駆動開発で大事なものが見えてきた |
| 発表者 | 真名海さめさん |
| 集会名 | 個人開発集会 |
| 発表資料 | ファイル |
2026年5月21日、VRChatで開催された「個人開発集会」にて、さめ(мег-сск)さんによる驚きの発表が行われました。
そのテーマは、なんとAIエージェントを使って「ブラックホールの衝突」を自宅のPCで再現するというもの!
最新のAI技術と宇宙物理学が交差する、ワクワクが止まらない挑戦の全貌をご紹介します。
自宅のPCで宇宙の神秘を再現する挑戦!
さめさんは、VRChat物理学集会の主催も務める、まさに物理と技術のスペシャリストです。
今回のプロジェクトのきっかけは、「ゴールデンウィークの旅行中に、自宅のPCに何かすごい計算をさせておきたい!」というユニークな動機から始まったそうです。
そこで選ばれたのが、2つのブラックホールがぐるぐると回りながら合体する「連星ブラックホール(BBH)合体」のシミュレーションでした。
この現象は、あのアインシュタインが100年前に予言し、2015年にようやく初観測されたという、人類の歴史にとっても非常に重要な出来事です。
太陽3個分の質量がエネルギーとして宇宙に放出されるという、想像を絶するスケールの現象を、さめさんはAIエージェント「Claude Code」と共に再現しようと試みました。
依存関係の地獄をAIエージェントと突破する
ブラックホールのシミュレーションには「Einstein Toolkit」というオープンソースのフレームワークが使われます。
しかし、このツールはスーパーコンピュータでの動作を想定しているため、環境構築が非常に難しいことで有名です。
さめさんはここで、最新のAIエージェントであるClaude Codeを「開発パートナー」として迎え入れました。
AIに丸投げするのではなく、まずは「Dockerを使って環境を構築する」という明確なタスクを設計。
エラーが出ればAIが自律的にDockerfileを修正し、複雑な依存関係を一つずつ紐解いていきました。
「何をやらないか」を明確に決めるマネジメント能力が、AIとの共同開発では鍵になるとさめさんは語ります。
マイルストーン設定が成功を引き寄せる
シミュレーションをそのまま実行すると、なんと完了まで16日もかかることが判明しました。
ここでさめさんは、旅行期間の3日間に収まるよう、解像度を調整して目標を再定義するという英断を下します。
「とりあえず最後まで走らせる」のではなく、小さなステップ(マイルストーン)を刻むことで、大きな手戻りを防いだのです。
GitHubの機能をフル活用し、AIにタスク管理を任せながら、各段階で「ユニットテスト」を実施。
過去の研究データと比較して、計算結果が物理的に正しいかどうかを常にチェックしました。
この地道な確認作業こそが、AI時代においても「王道」の開発手法であることを、さめさんの実践が証明しています。
太陽3個分のエネルギー放出を自宅で確認!
苦労の末、シミュレーションは見事に完走しました。
2つのブラックホールが螺旋を描きながら引き寄せられ、最後に合体する様子がデータとして描き出されたのです。
特筆すべきは、重力波として放出されたエネルギーの計算結果です。
実際の観測結果では「太陽質量の約3倍」とされていますが、さめさんのシミュレーションでも「3.13倍」という極めて近い数値を導き出しました。
「歴史的なイベントを自分のPCで再現できたことが、単純に嬉しい!」と語るさめさんの言葉には、ものづくりの原点にある喜びが溢れていました。
AI時代だからこそ「なぜ?」を問い続ける
今回の発表で最も心に響いたのは、さめさんが引用した数値相対論の大家、柴田大先生の言葉です。
「誰でも計算ができる時代だからこそ、その結果がなぜそうなるのかを説明できる力が重要になる」
AIを使えば、中身を理解していなくてもコードが書け、計算が実行できてしまいます。
しかし、さめさんは「どのように動くか」だけでなく「なぜその計算をするのか」を人間が考え続けるべきだと強調します。
データベースの操作に便利なライブラリを使うにしても、なぜそれを選ぶのか、生の技術と比べて何が優れているのか。
その「思想」を語れることが、これからの開発者に求められる資質なのかもしれません。
自分の「やりたい!」という内なる声を大切に
AIが多くの作業を肩代わりしてくれるからこそ、人間は「何をやりたいか」を決めることに集中できるようになります。
「旅行中にブラックホールを衝突させたい」というさめさんのような好奇心こそが、新しい挑戦のエンジンになります。
誰かのニーズを想像し、どんな機能が喜ばれるかを泥臭く考え抜く。
技術が進歩すればするほど、私たちが汗をかいて考えることの価値は高まっていく。
そんな前向きなメッセージに、参加者一同が勇気をもらった素晴らしい発表でした。
皆さんも、AIという強力な相棒と一緒に、自分だけの「王道」を突き進んでみませんか?
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個人開発集会の開催情報・参加方法
個人開発集会
開催日: 2026年05月21日
開催時間: 22:00 - 23:00
開催曜日: 木曜日開催周期: 隔週(グループA)
個人開発にまつわる話でワイワイする集会です。 個人開発をやっている方も初めてみたい方も大歓迎! 企画・技術・マーケティング・保守・運用など 技術的なことに限らない幅広い分野を想定しています。 個人開発に興味がある方はぜひ遊びに来てください!