VRChat個人開発の羅針盤!「Kipcha」に学ぶ成功の秘訣
詳細情報
VRChatの世界で、あなたの「こんなものがあったらいいな」を形にする個人開発。
その道のりは時に険しく、時に大きな喜びをもたらします。
2025年7月17日、VRChatの「個人開発集会」で、ににさんが「Kipcha 開発について(仮)」と題して、その貴重な経験と知見を惜しみなく共有してくれました。
今回は、その発表から、私たちが個人開発を成功させるためのヒントを一緒に探っていきましょう!
「Kipcha」ってどんなサービス?
ににさんが開発した「Kipcha」は、VRChatのコンテンツ検索・管理を目指した画期的なサービスです。
その特徴は、Windowsアプリ、iOS/Androidアプリ、そしてバックエンドサーバーから構成されるマルチプラットフォーム対応!
これを聞くだけで、その壮大なビジョンにワクワクしてきませんか?
特に注目すべきは、以下の2つの機能です。
アルバム機能
VRChatで撮影した写真をアプリに自動転送してくれるだけでなく、同じインスタンスにいるフレンドへの写真自動共有機能まで備わっています。
さらに、写真内のQRコードを読み取って、その先の情報にすぐにアクセスできるというから驚きです。
ににさんは、VRChatの写真をスマホに移すのが面倒、という自身の「困りごと」からこの機能を着想したそうです。
まさに「ユーザーの困りごと」に寄り添った機能ですね。
イベント機能
イベント検索はもちろんのこと、複数人でのイベント管理、そして当日開催のお気に入りイベントを自動で集計して通知してくれる機能まで!
VRChatでのイベント参加が、これまで以上にスムーズで楽しいものになること間違いなしです。
ににさんの「VRChatを遊び終わった深夜か朝にPCで作業する負担が大きい」という経験から生まれた、ユーザーの負担を軽減する工夫が随所に光ります。
個人開発の羅針盤:5つのステップ
ににさんは、個人開発を成功に導くための5つのステップを提示してくれました。
これは、私たちがプロダクトを作る上で非常に重要な指針となります。
Step1. 課題の発見:本当に「困っていること」を見つけよう
「何か作りたい」「便利そう」から始めるのではなく、まずは「誰が、何に困っているのか」を徹底的に探すことが重要だと、ににさんは語ります。
デザイン思考のアプローチを取り入れ、「なぜ?」「どういうこと?」と深掘りすることで、表面的な「困りごと」の裏に隠れた真の「課題」を見つけ出すのです。
例えば、「VRChatの写真をスマホに移すのが面倒」という困りごとから、「前日撮った写真をスマホに移す時間や負担が大きい」という課題を特定したそうです。
課題が明確になれば、無駄な開発が減り、開発スピードも向上するとににさんは強調します。
Step2. 設計&技術選定:プロダクトのタイプを見極める
プロダクトが「一人のユーザー内で完結する」のか、「複数のユーザーの使用を前提とする」のかによって、設計と技術選定のアプローチが変わってくるとににさんは説明します。
特に後者の場合、初期ユーザーの確保や競合からのスイッチングコスト、維持運営コストなど、考慮すべき点が格段に増えるとのこと。
まずは一人で完結するプロダクトから始め、ユーザーを獲得できたら複数ユーザー向けに移行するのがおすすめだそうです。
この現実的なアドバイスは、私たち開発者にとって非常に心強いですね。
Step3. 開発:とにかく作ってみよう!
「技術がない?」「勉強になるね!」「時間がない?」「寝るの暇そうだね!」という、ににさんの力強いメッセージには、開発者の背中を押す熱い情熱が込められていました。
完璧を目指すよりも、まずは形にすること。
この一歩が、次の学びへと繋がるのです。
Step4. プロモーション:第一印象がすべて!
プロダクトの価値は、ぱっと見の印象と流し読みされたテキストで判断されてしまうと、ににさんは指摘します。
だからこそ、ポスターやPVといったビジュアル面の製作に力を入れることが重要だそうです。
多くの人が面倒だと感じる部分だからこそ、そこに力を入れることで相対的に抜きん出ることができる、と。
実際に、ににさんの告知ポストはデザインリニューアル後に「いいね」が41から6,700に、インプレッションが3,300から551,000に激増したそうです!
これは驚異的な数字ですね。
また、自身に発信力がなくても、発信力のある人にメリットを提示して協力してもらう「win-win」の関係を築くことも大切だと語っていました。
Step5. FB回収&修正:ユーザーの声に耳を傾け、本質を見抜く
ユーザーからのフィードバックは、プロダクトをより良くするための宝の山です。
しかし、ににさんは「ユーザーは自身の欲しいものを正確には把握していない」と警鐘を鳴らします。
フィードバックをそのまま反映するのではなく、そこから真の課題を特定し、解決策を考えることが重要だそうです。
エゴサーチを積極的に行い、不具合を報告してくれるユーザーを大切にする姿勢も、プロダクトの成長には不可欠だとににさんは語ります。
個人開発を成功させるための「にに!
Tips」
発表の最後に、ににさんは個人開発のTipsをまとめてくれました。
- 課題の当事者となる、なれるまでヒアリングする
- ユーザーは欲しいものを把握していない
- 面倒なことは皆さぼりがちなので、やるだけで飛び出せる
- ユーザーは怠惰な前提で作る
- 不具合の発信をしてくれる人は大事にする
- 個人的なポストでもポジティブな発信を心がける
- ポジティブな発信をしてくれる人はとても大事にする
- 協力、支援してくださる方は死ぬほど大事にする
これらの言葉は、プロダクトのイメージが「プロダクトと製作者の発信」そして「ユーザーの発信」によって形成されることを示唆しています。
コントロールできる前者に力を入れつつ、後者のポジティブな発信を促すような関係性を築くことが、成功への鍵となるでしょう。
まとめ:あなたの「作りたい」を形にしよう!
ににさんの発表は、単なる技術的な話に留まらず、個人開発における「人」との繋がりや「課題解決」への情熱がひしひしと伝わってくるものでした。
技術的な知識はもちろん大切ですが、それ以上にユーザーの心に寄り添い、真の課題を見つけ出し、それを解決しようとする姿勢が、素晴らしいプロダクトを生み出す原動力となることを教えてくれました。
私たちも、ににさんのように、自分の「困りごと」から新しい価値を生み出すことができるはずです。
さあ、あなたの「作りたい」を形にする一歩を踏み出してみませんか?
VRChatの世界は、あなたのアイデアを待っています!
個人開発集会の他の発表もチェック!
個人開発集会の開催情報・参加方法

個人開発集会
開催日: 2025年07月17日
開催時間: 21:00 - 22:00
開催曜日: 木曜日開催周期: 隔週(グループA)
個人開発にまつわる話でワイワイする集会です。 個人開発をやっている方も初めてみたい方も大歓迎! 企画・技術・マーケティング・保守・運用など 技術的なことに限らない幅広い分野を想定しています。 個人開発に興味がある方はぜひ遊びに来てください!