暗黙知を集積するプラットフォーム:「健常者エミュレータ事例集」の取り組み in Remix

詳細情報

集会名 個人開発集会
日時 2024年05月09日 22:00 - 23:00
テーマ 暗黙知を集積するプラットフォーム:「健常者エミュレータ事例集」の取り組み in Remix
発表者 みちのそら
発表資料 リンク

みちのそらさんによる「暗黙知を集積するプラットフォーム:健常者エミュレータ事例集」の取り組み in Remix LT まとめ

自己紹介

  • データエンジニアリング、データマネジメントが本業
  • React、VRchatなども扱う
  • 美少女アバターを使うためにVRchatを始めた

「健常者エミュレータ事例集」とは?

  • ユーザーが暗黙知を含む記事を投稿・閲覧・評価し、知見を交換できるプラットフォーム
  • リミックスをベースにReactで開発、GitHubでコード公開中

背景

  • 世の中には、言語化されていない「暗黙知」が多く存在する
  • 暗黙知を知らないことで、人間関係や社会生活に支障が出る可能性がある
  • 発達過程やコミュニティへのアクセス不足により、暗黙知を獲得できない人がいる → 誰もが暗黙知にアクセスできる世界を実現したい

解決すべき課題

  1. 暗黙知は言語化が難しい
  2. 経験に対する心理的な距離感が近く、客観的な説明が困難
  3. 状況依存性が高く、知識の発生したコンテキストの明確化が必須 → 解決策:テンプレート化
  4. 暗黙知を共有する場所がない解決策:プラットフォームを自作

プラットフォームの特徴

  • 記事投稿:テンプレートに沿って、状況・反省・教訓を整理して投稿
  • 記事評価:ユーザーによる「いいね」や「よくないね」での評価
  • SNS連携:新規投稿時にX(旧Twitter)等で自動拡散

技術構成

  • フロントエンド:TypeScript, Remix, React
  • バックエンド:Supabase, AWS Lambda
  • インフラ:Vercel, Cloudflare
  • その他:OpenAI, BigQuery, DBT, New Relic, Playwright

開発ポリシー

  • コストパフォーマンスとメンテナンスコストの低減
  • 開発者体験の向上

これまでの取り組みと現状

  • 2022年3月:公開開始
  • 投稿フォーム作成、SNS連携機能追加など、改良を重ねる
  • 現在:投稿数9000件以上、コメント数27000件以上

今後の展望

  • インフラ改善:VercelからCloudflare Workersへの移行
  • 閲覧機能強化:関連する記事の推薦アルゴリズム改善、匿名掲示板機能追加
  • 投稿機能強化:Copilot機能の精度向上、メタディスクリプション自動生成
  • 拡散機能強化:Twitter以外のSNSへのシェア機能強化

質疑応答

  • バズりやすいSNSは?→ X(旧Twitter)
  • サーバー構成は?→ Supabase, Vercel, AWS Lambda等
  • ランニングコストは?→ 月45ドル程度
  • データベースコスト削減は?→ RDBは高コストなのでNoSQLやSQLも検討
  • 最初の投稿は?→ 作者自身と、その友人やフォロワー
  • 今後の収益化は?→ 広告収入はUI/UX的に好ましくないので、寄付機能のみ
  • 今後も個人開発を継続?→ 会社設立など、法的なハードルはあるが、前向きに検討

まとめ

  • 「健常者エミュレータ事例集」は、誰もが暗黙知を共有・学習できるプラットフォーム
  • 2年間の開発・運用を通して、様々な技術的知見や課題解決のノウハウが蓄積されている
  • 今後も機能拡充やサービス改善を進め、より良いプラットフォームを目指していく

「健常者エミュレータ事例集」は、私たちの社会生活をより円滑にする可能性を秘めた、注目すべき取り組みと言えるでしょう。