VRChat開発5年の軌跡:水無瀬輝綱が語る「自分駆動開発」の魅力
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2025年7月17日、VRChatの「個人開発集会」で、水無瀬輝綱さんが5年間にわたるVRChat関連の開発の軌跡を振り返る素晴らしい発表をしてくださいました!
「Self-Driven Development(自分駆動開発)」という、なんともワクワクするテーマのもと、ご自身の「欲しい」を原動力に生み出された数々のプロジェクトについて、その喜びも課題も包み隠さず語ってくださったんです。私たち開発者にとって、これほど心強いメッセージはありませんよね。
開発の原点は「自分が欲しいものを作る」
水無瀬輝綱さん(旧名:水無月せきなさん)は、VRChat歴5年のベテランユーザーであり、元文系のエンジニアというユニークな経歴をお持ちです。そんな水無瀬さんが開発の軸としているのが、「自分が欲しいと思ったものを作る」という「Self-Driven Development」の精神です。
この考え方、私たちも共感する部分が多いのではないでしょうか? 自分の「こうだったらいいのに!」という小さなひらめきが、やがて大きなプロジェクトへと繋がっていく。水無瀬さんの開発の軌跡は、まさにその証です。
5年間の開発ロードマップを辿る
水無瀬さんのVRChatでの開発は、2021年の「VRChatToolBox」開発開始と「自動ドアギミック」公開から始まりました。翌2022年には「水無月図書館」を公開し、さらに「VRCToolBox」の開発もスタート。2023年には「水無月図書館(NDC)」を公開し、そして2024年には「ピックアップギミック」を公開されています。
それぞれのプロジェクトが、水無瀬さん自身の「こんな機能があったら便利だな」「こんな体験ができたら面白いな」という純粋な思いから生まれているのが印象的です。まさに「自分駆動」で、着実に開発を進めてこられたんですね。
「水無月図書館」が巻き起こした予想外の反響
水無瀬さんの代表作の一つである「水無月図書館」は、「並んだ本を実際に取れるワールドって無くない?」という素朴な疑問から生まれたそうです。約1万7千冊もの本が並び、しおり機能やフリーハンド読書機能まで備わっているというから驚きです!
このワールドは、Web記事に掲載されるほどの大きな反響を呼び、Favoritesが1,557、Visitsが12,422にも達したとのこと。「自分が欲しいもの」が、こんなにも多くの人々に響く瞬間は、開発者にとって最高の喜びですよね。水無瀬さんは、この体験を通して「自分駆動開発」の大きな可能性を感じたそうです。
利便性を追求したツール開発「VRCToolBox」
「写真の管理をしたい」という水無瀬さん自身のニーズから生まれたのが「VRCToolBox」です。VRChatのログ回収やJoin/Left通知、そして写真管理機能まで備わっているとのこと。
特に写真管理機能では、タグ付けや情報の保存、形式変換、リサイズといった細やかな機能が充実しており、VRChatでの思い出を大切にしたい私たちにとって、まさに「かゆいところに手が届く」ツールと言えるでしょう。日々のVRChatライフをより快適にするための、水無瀬さんの工夫が詰まっていますね。
自然な操作感へのこだわり「刀ピックアップギミック」
「自然な操作を実現したい」という思いから開発されたのが「刀ピックアップギミック」です。順手・逆手のピックアップ、ワールド固定、出し入れといった機能が盛り込まれており、VRChatでのアイテム操作に新たな体験をもたらしています。
VRChatでは、アバターやアイテムとのインタラクションが非常に重要です。水無瀬さんのこのギミックは、より没入感のある体験を追求する開発者の情熱を感じさせます。細部にまでこだわった操作性は、きっと多くのユーザーに喜ばれていることでしょう。
Self-Driven Developmentの光と影
5年間の開発を振り返り、水無瀬さんは「Self-Driven Development」の良かった点として、「自分というユーザーが居るため、課題解決が目に⾒えやすく、モチベーションを保ちやすい」こと、そして「開発したものが、他の⼈に刺さる可能性もある」ことを挙げられています。
一方で、「モノは作れた⼀⽅で、普及という点では今⼀つなことが多い」という課題も正直に語ってくださいました。しかし、最後に「楽しかった!!」と締めくくられた言葉からは、開発そのものへの純粋な喜びが溢れていました。この「楽しかった」という気持ちこそが、開発を続ける上で最も大切な原動力だと、私たちも改めて感じさせられます。
「作る技術」と「広める技術」は別物
水無瀬さんの発表から得られた大きな学びは、「作る技術」と「広める技術」は別物である、という点です。素晴らしいものを作っても、それが多くの人に届かなければ、その価値を最大限に引き出すことはできません。
しかし、水無瀬さんのように「自分が欲しいもの」を追求し、その過程を楽しみながら開発を続ける姿勢は、私たちに大きな勇気を与えてくれます。そして、その情熱が込められた作品は、きっと誰かの心に響き、やがてコミュニティ全体を豊かにしていくはずです。
今回の発表は、私たち開発者にとって、自身の開発スタイルを見つめ直し、新たな挑戦への意欲を掻き立てる貴重な機会となりました。水無瀬さん、素晴らしい発表を本当にありがとうございました!
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個人開発集会の開催情報・参加方法

個人開発集会
開催日: 2025年07月17日
開催時間: 21:00 - 22:00
開催曜日: 木曜日開催周期: 隔週(グループA)
個人開発にまつわる話でワイワイする集会です。 個人開発をやっている方も初めてみたい方も大歓迎! 企画・技術・マーケティング・保守・運用など 技術的なことに限らない幅広い分野を想定しています。 個人開発に興味がある方はぜひ遊びに来てください!