VRChatデータサイエンティスト集会:成果を出す計画術

詳細情報

日時 2025年04月03日 22:00 - 22:30
テーマ 個人計画とプロジェクト遂行の考え方
発表者 ぶんちん
集会名 データサイエンティスト集会
発表資料 リンク

2025年4月3日、VRChatで開催された「データサイエンティスト集会」にて、ぶんちんさんが「個人計画とプロジェクト遂行の考え方」というテーマで素晴らしい発表をされました。

スマートな業界ではなく、泥臭い重厚長大製造業での経験に基づいたリアルな話は、参加者の心に響いたことでしょう。

今回は、その発表内容を元に、私たちの普段の仕事やプロジェクトに役立つヒントを深掘りしてお届けします。

なぜ個人計画はうまくいかないのか?

私たちは毎年、個人計画を立てる機会がありますよね。

でも、その計画が単なる「手続き」になってしまって、なかなか成果に繋がらない…そんな経験、もしかしたらあなたにもあるかもしれません。

ぶんちんさんは、個人計画の評価がうまくいかない原因として、「うまく成果を表現できない」「目標を達成できたかいえない」「当初の計画と整合性が取れない」といった点を挙げられていました。

計画を立てたのに、いざ振り返ってみると、何ができたのか、目標に対してどうだったのかが不明確になりがちです。

評価に差が出る計画、出ない計画

同じように計画を立てても、評価される人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか。

ぶんちんさんは、「計画に対する成果を上手く表現する方法?

そんな都合の良いものはない」とばっさり。

つまり、成果を出すための計画は、計画立案の段階で大部分が決まってしまう、ということを強調されていました。

成果に繋がる個人計画の重要な観点

では、どうすれば成果に繋がる個人計画を立てられるのでしょうか。

ぶんちんさんは、以下の3つの重要な観点を挙げられました。

1. 背景・目的と自身の役割との整合性

これは、自分が所属する組織全体の背景や目的をしっかりと理解し、その中で自分自身がどのような役割を果たすべきかを明確にする、ということです。

組織が何を目指していて、そのために何が必要なのかを把握することで、自分の計画が組織全体の目標達成にどう貢献できるのかが見えてきます。

具体的に何を、いつ、どうやって実現するのか、そして自分だけでなく、他の人の役割も理解することが重要です。

2. 未達成を定義できる評価基準

計画の成功・失敗を判断するための明確な基準を設定することの重要性です。

「頑張ります」「〇〇を改善します」といった抽象的な目標ではなく、「いつまでに、何を、どのレベルまで達成するのか」を具体的に決める必要があります。

未達成とはどういう状態なのかを定義することで、計画の進捗を正確に把握し、必要に応じて軌道修正ができます。

曖昧な基準に逃げず、覚悟を持って基準を設定することが大切だとぶんちんさんは語ります。

3. 計画見直しの想定

計画は一度立てたら終わり、ではありません。

状況は常に変化します。

そのため、計画を立てる段階で、どのような場合に、いつ、誰と、どのように計画を見直すのかをあらかじめ想定しておくことが重要です。

計画がうまくいかなかったとしても、それは失敗ではなく、計画を見直すタイミングだと捉えることができます。

初期の計画に固執せず、柔軟に見直すことで、より確実に成果に近づけるのです。

非専門家とのプロジェクトから学ぶ失敗事例

ぶんちんさんの発表では、データサイエンティストが非専門家と協力してプロジェクトを進める際によくある失敗事例も紹介されました。

例えば、「仮説検定で有意差を示すことができました!」「精度が〇〇の予測モデルを作ることができました!」と報告しても、相手から「だからなに?」と言われてしまうケースです。

これは、技術的な成果が、ビジネス上の成果や目的と結びついていないために起こります。

失敗プロジェクトの原因を深掘り

このような失敗の背景には、個人計画の失敗と同じ構造の問題がある、とぶんちんさんは指摘します。

一つ目は「背景・目的と自身の役割との整合性」です。

手段(データ分析やモデル構築)が目的になってしまい、本来の背景や目的、そして自分や関係者の役割が不明確になっている状態です。

二つ目は「未達成を定義できる評価基準」がないことです。

何ができたらプロジェクトが成功と言えるのか、具体的な基準がないため、技術的な成果を上げても、それがビジネスにどう貢献するのかが不明確になります。

三つ目は「計画見直しの想定」ができていないことです。

プロジェクトを進める中で予期せぬ問題が発生した場合に、どのように計画を修正していくかがあらかじめ決まっていないため、問題解決が遅れたり、プロジェクトが暗礁に乗り上げたりします。

自分の計画が立てられないとプロジェクトも失敗する?

ぶんちんさんは、「自分の計画すら立てられないと、失敗確率UP」と述べられていました。

これは、個人計画をしっかりと立てる能力が、プロジェクトを成功させる上でも非常に重要であることを示唆しています。

自身の目標設定や進捗管理ができない人は、他者と協力して進めるプロジェクトでも、同様の問題に直面しやすいのかもしれません。

まとめ

ぶんちんさんの発表を通じて、個人計画もプロジェクト遂行も、根っこの考え方は同じだということがよく分かりました。

単なる手続きとしてではなく、しっかりと力を入れて取り組むことで、見えてくる景色があるはずです。

今回学んだ3つの観点を意識して、ぜひあなたの個人計画やプロジェクトに活かしてみてください。

[スライド資料(PDF)](https://data.vrc-ta-hub.com/slide/%E5%80%8B%E4%BA%BA%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%81%8 siglas

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データサイエンティスト集会

開催日: 2025年04月03日

開催時間: 21:00 - 22:30

開催曜日: 木曜日

開催周期: 隔週(グループB)

データサイエンティスト集会(以下DS集会)はVRChat内でデータサイエンティストやデータサイエンスに興味ある人、初心者が集まって交流する定期イベントです。隔週木曜21時から開催しており、時にはデータサイエンスにちなんだLT企画も行っています。 コロナウイルスの影響でリアルでのオフラインイベントが急減し、代わりにオンラインイベントが開催されるようになりました。しかしビデオ通話などでの交流会…

データサイエンティスト集会(以下DS集会)はVRChat内でデータサイエンティストやデータサイエンスに興味ある人、初心者が集まって交流する定期イベントです。隔週木曜21時から開催しており、時にはデータサイエンスにちなんだLT企画も行っています。 コロナウイルスの影響でリアルでのオフラインイベントが急減し、代わりにオンラインイベントが開催されるようになりました。しかしビデオ通話などでの交流会はやりとりがし辛く、それが理由に社外のDSとの交流が減ってはいないでしょうか? そうした不便さから、さながらオフラインイベントのような雰囲気で交流できる場を目指し、先代が22年4月からDS集会が始まりました。 今ではVRChat内で唯一のデータサイエンス系コミュニティとして、多くの知識交流の場となっています。最近ではデータサイエンスだけでなくデータエンジニアリングや統計などのテーマでも交流されるようになりました。 「身近にデータサイエンスについて相談できる知り合いがいない」、「社外のDSと交流してみたい」といった方は、もしご興味ありましたらご参加をお待ちしております。