統計知識と実務のギャップ:データサイエンスの成果を具体的なアクションにつなげる方法
詳細情報
日時 | 2024年11月28日 22:00 - 22:10 |
---|---|
テーマ | 統計知識と実務のギャップ |
発表者 | ぶんちん |
集会名 | データサイエンティスト集会 |
発表資料 | リンク |
ぶんちんさんによる、データサイエンスの現場でよくある課題とその解決法についてのプレゼンテーションのポイント
2024年12月26日に、VRChatで開催された「データサイエンティスト集会」で、ぶんちんさんが「統計知識と実務のギャップ」というテーマで発表を行いました。ぶんちんさんは製造業でデータ分析を担当していましたが、その経験から、データサイエンスの知識や技術だけでは実務で成果を出すには不十分であることに気づきました。そこで、非専門家向けのデータサイエンス教育の必要性を感じ、今回の発表に至りました。
そもそも、なぜ「統計知識」と「実務」の間にギャップが生じるのか?
ぶんちんさんは、データサイエンスの初心者が直面する壁として、「勉強したことが仕事で使えない」「使ってみたけど成果につながらない」という問題を指摘しています。これは、多くの人がデータサイエンスの専門知識を学ぶ一方で、それを実際のビジネスの現場でどのように活用すればよいのかがわからないためです。
知識だけでは不十分!具体的なアクションへつなげる必要性
データサイエンス的な成果は、それだけでは実務において意味を成しません。ぶんちんさんの言葉を借りると、「具体的なアクションにつなげることができて初めてビジネス的成果を獲得できる」のです。つまり、データ分析の結果を基に、組織が実際にどのような行動を起こすべきかを明確に示すことが重要になります。
アクションにつなげるための「稟議」と「決裁」
組織で何か新しい取り組みを始める際には、「稟議」や「決裁」といったプロセスが不可欠です。これは、新しく始めようとしていることが組織にとって有益であることを説明し、承認を得るための手続きです。データサイエンスの成果を具体的なアクションにつなげるためには、この稟議・決裁プロセスを意識した情報提供が求められます。
意思決定者に刺さる!データサイエンスの成果を「稟議・決裁」につなげる情報とは?
アクションとその効果を明確に示す
稟議や決裁の場では、データ分析の結果だけでなく、「こんなアクションをすると、投入リソース・リスク以上の効果が得られる!」という具体的な提案が求められます。そして、その提案が「必要十分なスペック」であることを、データに基づいて説明する必要があります。
製造業を例に考えてみよう
例えば、製造業の現場では、データ分析の結果を用いて製造プロセスの改善を提案することが考えられます。この場合、単に「精度が○○の予測モデルを作ることができました!」と報告するだけでは不十分です。それよりも、「この予測モデルを活用して、このように製造プロセスを調整することで、不良品率を○%削減できる見込みです。その結果、年間で○○円のコスト削減効果が期待できます。」といった形で、具体的なアクションとその効果を明確に示すことが重要です。
データサイエンティストは「データサイエンスの専門家」だけではダメ?
ぶんちんさんは、「自分はあくまでデータサイエンスの専門家なのに、そこまでやらなければいけないの!?」という疑問に対して、「そうだよ!」と断言しています。データサイエンティストは、データ分析の専門知識だけでなく、その結果を具体的なアクションにつなげるための「ビジネススキル」も身につける必要があるのです。
さまざまな人との「協力」が重要
データサイエンティストは、データ分析の専門家であると同時に、組織内外のさまざまな人と協力してプロジェクトを進めていく役割も担います。特に、製造業のような現場では、そのプロセスの担当者と密に連携することが重要です。彼らは、操業へのアクションを主に担うだけでなく、考慮すべき要件や承認を得る方法など、ローカルな事情に精通しているからです。データサイエンティストは、彼らと協力して必要な情報を引き出し、稟議・決裁手続ができるように情報をまとめることが必要です。
データサイエンス初心者にオススメの課題
EASYモードとHARDモード
ぶんちんさんは、データサイエンス初心者が取り組むべき課題として、「EASYモード」と「HARDモード」の2つを挙げています。
EASYモード:管理・制御の高度化プロジェクト
EASYモードは、既に成功実績があり、周囲の協力を得やすい管理・制御の高度化プロジェクトです。例えば、製造業における品質管理の精度向上や、エネルギー消費量の最適化などが挙げられます。これらのプロジェクトは、比較的負荷が低く、初心者でも成功しやすいという特徴があります。
HARDモード:新規施策の導入プロジェクト
一方、HARDモードは、新規施策の導入プロジェクトです。これらのプロジェクトは、やるべきことが多く、様々な能力・知識が必要となります。そのため、体制を整えて、腰を据えて取り組む必要があります。
まとめ:データサイエンスの成果を具体的なアクションへ
ぶんちんさんの発表は、データサイエンスの知識や技術を実務で活かすためには、それらを具体的なアクションにつなげることが重要であることを改めて認識させてくれるものでした。データサイエンス的な成果だけでは不十分であり、具体的なアクションの実行を意思決定できる情報を提示できるようにすることが大切です。そのためには、組織の意思決定プロセスである「稟議」や「決裁」を理解し、それらに必要な情報をデータに基づいて提供することが求められます。そして、データサイエンスの専門知識だけでなく、組織内外のさまざまな人と協力してプロジェクトを進めていくための「ビジネススキル」も重要となります。
データサイエンスの学習と実践でギャップに悩んでいる人は、ぜひぶんちんさんのアドバイスを参考に、データサイエンスの成果を具体的なアクションにつなげるためのスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。
データサイエンティスト集会の他の発表もチェック!
データサイエンティスト集会の開催情報・参加方法
データサイエンティスト集会
開催日: 2024年11月28日
開催時間: 21:00 - 22:30
開催曜日: 木曜日開催周期: 隔週(グループB)
データサイエンティスト集会(以下DS集会)はVRChat内でデータサイエンティストやデータサイエンスに興味ある人、初心者が集まって交流する定期イベントです。隔週木曜21時から開催しており、時にはデータサイエンスにちなんだLT企画も行っています。 コロナウイルスの影響でリアルでのオフラインイベントが急減し、代わりにオンラインイベントが開催されるようになりました。しかしビデオ通話などでの交流会…