製造業における品質不良の要因分析:分析着手順の考え方
詳細情報
集会名 | データサイエンティスト集会 |
---|---|
日時 | 2024年07月25日 22:00 - 22:30 |
テーマ | 製造業における品質不良の要因分析02_分析着手順の考え方 |
発表者 | ぶんちん |
発表資料 | リンク |
発表のハイライト
- 品質不良の要因分析は、ビジネス的な成果につながるアクションを導き出すことが重要です。
- アクションにはコストがかかります。低コストなアクションから着手し、費用対効果が薄くなったら打ち切る判断基準を設けることが大切です。
- 該当プロセスの担当者と連携し、彼らの知見を活かすことで、より効果的に分析を進めることができます。
品質不良の要因分析:ビジネス成果につなげるための着眼点
製造業において、品質不良は避けられない課題の一つです。品質不良の発生原因を突き止め、対策を講じることは、企業にとって非常に重要です。しかし、多くの場合、原因究明には多大な時間とコストがかかってしまい、なかなか成果に結びつかないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
ぶんちんさんは、VRChatのデータサイエンティスト集会で、「製造業における品質不良の要因分析02_分析着手順の考え方」というテーマで発表を行いました。この発表では、品質不良の要因分析を効果的に進めるための着手順について解説されています。
指示を出す側と受け手の認識のズレ
まず、ぶんちんさんは、品質不良の要因分析において、指示を出す側と受け手の認識にズレが生じやすいことを指摘しています。
例えば、上司が「品質不良が多いから、原因を調べて!」と指示を出した場合、部下はデータ分析を行い、原因を突き止めようとするかもしれません。しかし、上司が本当に求めているのは、原因究明そのものではなく、品質不良を改善し、ビジネス的な成果(売上向上など)につなげるためのアクションかもしれません。
この認識のズレは、分析の進め方や結果の解釈に大きな影響を与えます。そのため、最初に分析の目的を明確化し、関係者間で共通認識を持つことが重要です。
分析着手のポイント:低コストで始めよう!
では、どのように分析を進めていけば良いのでしょうか?
ぶんちんさんは、低コストなアクションから順番に実施していくことを推奨しています。
なぜなら、
- 全てのアクションが実行可能ではない
- 効果がコストを上回らないアクションは実行すべきではない
- 事前にわかるのは、改善効果の最大規模感のみ
といった制約があるからです。
まずは、簡単に実施でき、かつ、ある程度の効果が見込めるアクションから始めてみましょう。例えば、
- 原材料の仕入れ先の見直し
- 既存設備の操作方法の見直し
- 計測器の精度確認
などです。
これらのアクションによって、品質不良が改善されれば、大きな成果につながります。逆に、効果が見られない場合は、すぐに次のアクションに移りましょう。
該当プロセスの担当者と連携しよう
分析を進める上で、該当プロセスの担当者との連携も非常に重要です。
担当者は、日々の業務の中で、品質不良に関連する様々な情報を得ています。彼らの知見を活かすことで、より効果的に分析を進めることができます。
また、担当者自身も品質不良の改善を望んでいます。低コストで取り組めるアクションであれば、積極的に協力してくれる可能性が高いでしょう。
プロジェクトの打ち切りポイントを見据える
いくら低コストなアクションであっても、永遠に分析を続けるわけにはいきません。
ぶんちんさんは、費用対効果が十分でなくなるポイントを見据えて、プロジェクトを打ち切ることを提案しています。
調査を続けるほど、コストは増加していきます。一方で、得られる効果は、ある程度で頭打ちになる可能性があります。
そのため、分析の途中で、費用対効果を評価し、打ち切りの判断を行うことが重要です。
まとめ
製造業における品質不良の要因分析は、ビジネス成果につなげるための重要な取り組みです。
ぶんちんさんの発表では、分析を着手する際のポイントとして、
- 分析の目的を明確化し、関係者間で共通認識を持つ
- 低コストなアクションから順番に実施する
- 該当プロセスの担当者と連携する
- 費用対効果を評価し、プロジェクトの打ち切りポイントを見据える
ことが示されました。
これらのポイントを意識することで、より効率的かつ効果的に品質不良の要因分析を進め、ビジネスに貢献できるはずです。