280円でZ80マイコン!Super AKI-80でレトロPC体験
詳細情報
VRChatで開催されたComputerScience集会で、夜鍋ヨナさんが「秋月2FのZ80で遊ぼう〜Super AKI-80活用ガイド〜」と題した、なんとも心躍る発表をしてくださいました!
たった280円で手に入るレトロなマイコンボード「Super AKI-80」を使って、現代に蘇るZ80の世界を体験できるという、まさに技術のロマンが詰まった内容でした。
この発表は、私たちに忘れかけていたコンピュータの原点と、触れることの楽しさを思い出させてくれる、そんな素晴らしい時間でしたね!
Super AKI-80ってどんなマイコン?
夜鍋ヨナさんが紹介してくれた「Super AKI-80」は、秋月電子通商で販売されているZ80系のマイコンボードです。
驚くべきはその価格!
通常2000円のところ、秋葉原の秋月電子2F特価コーナーではなんと280円で手に入るというから驚きです。
ヨナさんによると、在庫は残り413枚(発表当時)とのことなので、これはもう急いで手に入れるしかないですね!
このボードは、Z80ファミリの主要機能を統合したTMPZ84C015をメインCPUとし、拡張GPIOのTMP82C265、そしてプログラム実行用のSRAMで構成されています。
まるで、手のひらサイズのレトロPCが目の前にあるような、そんなワクワク感があります。
Z80ファミリの秘密とSuper AKI-80の心臓部
Z80ファミリは、CPUだけでなくシリアル通信用のSIOやGPIO用のPIOなど、様々な周辺チップが販売されていました。
しかし、Super AKI-80の心臓部であるTMPZ84C015は、これらZ80ファミリの主要機能を一つに統合したワンチップZ80システムなんです!
CPU、SIO、PIO、CTC(カウンタ/タイマ)、CGC(クロックジェネレータ)がこの1チップに凝縮されているとのこと。
まるで、現代のSoC(System on a Chip)の先駆けのような存在ですね。
メモリは内蔵されていないため、別途ROMが必要になりますが、秋月電子ではAKI-80用モニターROM(Tiny BASIC内蔵!)も販売されているので、すぐにレトロプログラミングの世界に飛び込めます。
Raspberry Piを超えるGPIO数!?
Super AKI-80のもう一つの驚きは、そのGPIO(汎用入出力)の多さです。
メインCPUのTMPZ84C015が16ポート、そして基板裏面のTMP82C265(Intel 8255互換のPPI)が2個で48ポート。
合計なんと64本ものI/Oポートを備えているとのこと!
これは、あのRaspberry Piの29本をはるかに超える数です。
これだけのGPIOがあれば、様々な電子工作のアイデアが無限に広がりそうですね。
レトロなマイコンで、現代のIoTデバイスのような制御ができるなんて、想像するだけで胸が熱くなります!
Tiny BASICでレトロプログラミング体験
秋月電子のAKI-80モニターROMには、なんと「Tiny BASIC」が内蔵されています。
変数型は整数型のみ、変数名はA〜Zの26個、配列や文字列は非対応(PRINTのリテラルのみ)という、現代のプログラミング言語とは一線を画すシンプルさです。
しかし、このシンプルさがまた、プログラミングの基礎を学ぶ上で非常に良い教材になるとヨナさんは語っていました。
GOSUB/RETURNやELSEがないなど、現代の言語では当たり前の機能がないからこそ、GOTOを駆使してロジックを組み立てる楽しさがあるとのこと。
まさに、制約の中で工夫するプログラミングの原点に触れることができます。
ヨナさんは、FizzBuzzの実装を通して、Tiny BASICの基本構文を詰め込んだプログラムを披露してくれました。
現代のプログラミングに慣れている私たちにとっては新鮮な驚きと、どこか懐かしさを感じる体験ですね。
プログラムなしでLチカ!?驚きの裏技
Tiny BASICではOUT命令がうまく使えないという課題があるSuper AKI-80ですが、ヨナさんはなんと「プログラムを1行も書かずにLチカする裏技」を紹介してくれました!
ROMをすべて外し、Z80のD0-D8をGNDに接続し、A0-A7をLEDに接続するというもの。
データバスが常に0x00となり、アドレスがインクリメントされることでLEDが2進カウントするという仕組みです。
これは、まさにハードウェアの挙動を直接利用した、目からウロコのLチカ方法ですね!
プログラムを書かずにLEDを点滅させるという発想は、コンピュータの仕組みを深く理解しているからこそできる技だと感じました。
レトロPCの世界へ飛び込もう!
夜鍋ヨナさんの発表は、Super AKI-80というたった280円のマイコンボードが、いかに奥深く、そして楽しいレトロコンピューティングの世界への扉を開いてくれるかを教えてくれました。
Z80という歴史的なCPUに触れ、Tiny BASICでプログラミングの基礎を学び、64本ものGPIOで電子工作を楽しむ。
回路図も公開されているので、改造する楽しみもあるとのこと。
現代の高性能なコンピュータとは異なる、制約の中で工夫し、創造する喜びがここにはあります。
この発表を聞いて、私たちもぜひ秋月電子2Fへ足を運び、Super AKI-80を手に取って、レトロPCの世界に飛び込んでみませんか?
きっと、新しい発見と感動が待っているはずです!
発表スライド(PDF)はこちらからご覧いただけます。