VRChatワールド制作:ユーザー課題解決で生まれる新たな価値
詳細情報
VRChatの世界をより豊かにするために、ワールド制作を通してユーザーの課題解決を目指す。
そんな熱い想いが込められた発表が、VRChatの「個人開発集会」で行われました。
今回は、さぎらさんの発表内容をもとに、ワールド制作でユーザーの課題を解決する、という視点をご紹介します。
「灯火」:課題解決から生まれたワールド
さぎらさんが紹介されたのは、自身が制作したVRChatワールド「灯火」です。
このワールドは、VRChatにおけるユーザーの課題を解決するために設計されました。
具体的にどのような課題に着目し、どのように解決しようとしたのでしょうか?
As-Is/To-Be分析:課題の明確化
「灯火」制作の出発点は、As-Is/To-Be分析という手法を用いた課題の明確化でした。
これは、現状(As-Is)と理想の状態(To-Be)を比較し、そのギャップを課題として捉えるものです。
- As-Is(現状): 初対面の日本人と出会えるワールドは存在するものの、既存のワールドでは「友達」作りが難しい。
- To-Be(理想の状態): 話したい人がたくさんいて、話せるような場所が欲しい。会話の輪に自然に入り、相手の興味が事前に分かり、飽きるまで話し続けられる。
この分析から、さぎらさんは以下の課題を抽出しました。
- 声をかけにくい、何を話せばいいか分からない
- 当たり障りのない会話で終わってしまう
- 「延長しましょう」と言い出しにくい
- 5分では親密な関係になりにくい
- 既に形成されている会話の輪に入りにくい
アクション:課題解決のための具体的な施策
明確になった課題に対し、「灯火」では具体的なアクション(解決策)が用意されています。
これらのアクションは、ユーザーがより自然に、そして快適にコミュニケーションを楽しめるように設計されています。
事前に話題を選択できる仕組み
現状の課題として「何を話せばいいか分からない」という点が挙げられました。
そこで「灯火」では、事前に話題を選択できる仕組みを導入。
これにより、参加者は共通の興味を持つ人同士で集まりやすくなり、会話のきっかけを作りやすくなります。
退出のタイミングを可視化
「延長しましょう」と言い出しにくい、という課題に対しては、経過時間を表示することで、退出の口実を提供しています。
これにより、参加者は自分のペースで会話を楽しめるようになり、気兼ねなくワールドを後にすることができます。
時間制限なし
5分では親密な関係になりにくい、という課題を解決するために、時間制限を設けず、参加者が納得いくまで会話を続けられるようにしました。
時間を気にせず、じっくりと交流を深めることができます。
自動マッチングによる会話の輪への参加
既に形成されている会話の輪に入りにくい、という課題に対しては、ワールドのギミックで3人を自動マッチングする仕組みを導入。
これにより、参加者は自然な形で会話の輪に加わることができ、新たな出会いを創出することができます。
「灯火」のアクションがもたらす体験
これらのアクションによって、「灯火」は以下のような体験を提供します。
- 3人だけの空間に自動で転送される、プライベートなワールドの感覚
- 興味のある話題について、気兼ねなく話せる環境
課題解決のためのワールド制作という選択肢
さぎらさんの発表は、「ワールド制作でユーザーの課題を解決する」という、VRChatの新たな可能性を示唆しています。
もしあなたがVRChatのユーザーとして何か課題を感じているなら、それを解決するためのワールドを自ら作ってみる、という選択肢を持ってみてはいかがでしょうか?
今回の発表を通して、VRChatのワールド制作は、単なるコンテンツ作成にとどまらず、コミュニティをより良くするための手段になり得る、ということを改めて認識しました。
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