WW2とコンピュータの関係性!意外な歴史と現代への影響をチェック!

詳細情報

集会名 CS集会
日時 2023年08月15日 22:00 - 22:30
テーマ WW2に見るコンピュータ
発表者 夜鍋ヨナ
発表資料 ファイル

発表ハイライト

  • 第二次世界大戦中には、通信や暗号解読、弾道計算など、様々な場面でコンピュータの原型となる機械が使われていた。
  • 暗号解読のために開発された「ボンベ」や「コロッサス」は、後のコンピュータ技術に影響を与えた。
  • 世界初のコンピュータは何か?という問いには、明確な答えはないものの、ENIACが大きな役割を果たした。
  • 戦時中の日本は、計算尺や機械式卓上計算機などを用いていた。

第二次世界大戦とコンピュータ技術の進化

第二次世界大戦は、人類の歴史において大きな転換期となりましたが、同時にコンピュータ技術の進化にも大きく貢献した時代でした。戦争という状況下で、より迅速かつ正確な情報処理が求められ、それらを満たすための革新的な技術が開発されていったのです。

WW2で活躍した電子技術

戦争において、通信、暗号、レーダー、テレタイプなどの電子技術は、戦況を大きく左右する重要な役割を担っていました。

通信

  • 基地局と、軍艦や航空機との間で、情報をスムーズにやりとりする必要がありました。
  • 通信手段の向上は、迅速な命令伝達や情報共有に繋がり、戦況を有利に進める上で欠かせないものでした。

暗号

  • 敵国に重要な軍事情報が漏れないよう、暗号化は必須でした。
  • 敵国は、その暗号を解読しようと必死でした。
  • ドイツ軍が使っていた「エニグマ」や、日本軍が使っていた暗号機などは、その技術力の高さを物語っています。

レーダー

  • 敵の軍艦や航空機を事前に察知し、攻撃や防衛に備えるため、レーダー技術は重要な役割を担いました。
  • レーダーの進化は、戦争の様相を大きく変え、防空網の構築や海上戦における優位性を生み出すことに貢献しました。

テレタイプ

  • テキストベースで、命令や報告をやり取りするテレタイプは、迅速な意思疎通を可能にしました。
  • リアルタイムに近い情報伝達は、作戦の遂行に大きな影響を与えました。

弾道計算

  • 大砲で発射した砲弾の軌道を計算する技術は、砲撃の精度を高めるために必要不可欠でした。
  • より正確な弾道計算を行うことで、敵への被害を増やし、自軍の損害を減らす効果がありました。

WW2に見るコンピュータの黎明期

WW2の戦時下では、暗号解読や弾道計算など、複雑な計算を短時間で処理する必要性が高まりました。そのため、従来の機械式計算機では対応しきれなくなり、より高度な計算能力を持つコンピュータの開発が加速したのです。

エニグマ解読に貢献した「ボンベ」と「コロッサス」

ドイツ軍が使用していた暗号機「エニグマ」は、非常に複雑な暗号化方式を採用していました。しかし、イギリスの数学者アラン・チューリングが開発した「ボンベ」と呼ばれる機械によって解読され、連合国に大きな戦果をもたらしました。

また、ドイツ軍が使っていた「ローレンツ暗号」は、イギリスで開発された「コロッサス」と呼ばれるコンピュータによって解読されました。コロッサスは、世界初のプログラム可能な電子式デジタルコンピュータの一つと言われています。

WW2中のコンピュータ

  • 「ボンベ」
  • 「コロッサス」
  • 「シグサリー」
  • 「ENIAC」

これらのコンピュータは、それぞれ異なる目的で開発されましたが、後のコンピュータ技術の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。特に、ENIACは世界初の汎用電子デジタルコンピュータとして、今日のコンピュータの原型と言える存在です。

世界初のコンピュータは?

さて、皆さんは世界初のコンピュータは何だと思いますか?実は、この問いには明確な答えがないのが現状です。

  • 電子式であること
  • 実用化されていること
  • プログラム制御方式を採用していること
  • プログラムを内蔵できるメモリを持っていること

これらの条件を満たすコンピュータはいくつか存在し、それぞれの開発者や研究機関によって主張が異なるため、結論が出にくいのです。

ENIACは、実用化され、様々な科学的、工学的な計算に用いられたことから、世界初のコンピュータと考える人も多いでしょう。しかし、裁判で特許が無効とされた経緯もあり、議論の余地は残ります。

現代のコンピュータの原型

現在のコンピュータの原型は、EDVACだと言われています。EDVACは、メモリを大量に搭載し、プログラム内蔵方式を採用したコンピュータです。

  • ノイマンさんという方が論理設計を担当し、その報告書が世に出回ったことで、ノイマン型コンピュータと呼ばれるようになりました。

戦時中の日本の計算機事情

一方、戦時中の日本は、電子式計算機の実用化が遅れており、計算尺や機械式卓上計算機などが主な計算手段でした。

  • 計算尺は、対数の性質を利用して、スライドする目盛りで計算を行うアナログ式の計算機です。
  • 機械式卓上計算機は、手回し式や電動式で計算を行う機械式の計算機です。

ちなみに、戦後になって初めて国産のコンピュータが開発されました。それは、FACOM100というコンピュータで、富士通が開発したものです。

まとめ

WW2は、コンピュータ技術の進化において重要な役割を果たした時代でした。戦争という特殊な状況下で生まれた様々な技術は、今日のコンピュータ社会の基礎を築く上で欠かせないものでした。

世界初のコンピュータは何か?という問いには、明確な答えはないものの、WW2で生まれたコンピュータが、今日のコンピュータ技術に大きな影響を与えたことは間違いありません。

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