モバイルバッテリーを分解して充電の仕組みを調べてみた!

詳細情報

集会名 CS集会
日時 2023年07月18日 22:00 - 22:15
テーマ モバイルバッテリー分解
発表者 夜鍋ヨナ
発表資料 ファイル

発表内容のハイライト

  • 1300円のモバイルバッテリーを分解して、内部構造や部品を調査しました。
  • USB Type-C、microB、Lightningの充電ケーブルの構造の違いを比較しました。
  • ライトニングケーブルに使われているマイコンを特定し、製造元を突き止めました。
  • モバイルバッテリーの充電制御に使われているマイコンを特定しました。
  • 充電制御のアルゴリズム(トリクル充電、コンスタントカレント充電、コンスタントボルテージ充電)について解説しました。

夜鍋ヨナさんが、VRChatの「CS集会#4」でモバイルバッテリーの分解について発表しました。 今回はその発表内容を元に、モバイルバッテリーの内部構造や充電の仕組みについて詳しく解説していきます。

1300円のモバイルバッテリーを分解!

夜鍋ヨナさんは、あきばおーで1300円で購入したトーシン産業のプライズ品「オールインワンパワー2」というモバイルバッテリーを分解しました。 このモバイルバッテリーには、USB Type-C、microB、Lightningの3種類の充電ケーブルが付属していました。

モバイルバッテリーの構成部品

分解の結果、モバイルバッテリーは以下のような構成部品に分解できました。

  • 外装
  • バッテリー
  • 基盤
  • 充電ケーブル(Type-C、microB、Lightning)

外装は特に特徴がなく、ペンチとニッパーで簡単に分解できたそうです。 バッテリーは一般的なリチウムイオンバッテリーが使われていました。

基盤の調査:USBポートやLED、マイコンをチェック!

基盤には、入力用のUSB microBポートとUSB Type-Cポート、出力用のUSB Aポートが2つ、充電状態を示すLEDが4つ、そして電源のオンオフを切り替えるスイッチが搭載されていました。 さらに、充電制御を行うマイコンも搭載されていました。

ケーブルの構造:Type-C、microB、Lightningを比較!

3種類の充電ケーブルの基盤を詳しく見てみると、構造に違いがあることがわかりました。

  • Type-Cケーブル:抵抗が1つあり、基盤にパターンが描かれていました。Type-Cケーブルは、データ通信と充電を行うための複雑な規格なので、基盤に適切なパターンがないと正常に動作しないようです。
  • microBケーブル:かなり安価な作りで、データ通信用のD+とD-の線が浮いているように見えたそうです。分解でボロボロになってしまったため、詳細な確認はできませんでした。
  • Lightningケーブル:複数のチップが搭載されており、他の2つに比べて複雑な構造でした。

ライトニングケーブルのマイコンを特定!

ライトニングケーブルの基盤には、「YUY035SK」という文字が刻印されていました。 基盤にはモールドで覆われたチップがあり、これを剥がして中身を確認したところ、「3415」と「YUY01J」という文字が書かれたチップを発見しました。

3415:P-MOSFETチップ?

「3415」と刻印された3ピンのチップは、オールデータシート.comで検索した結果、P-MOSFET(パワーMOSFET)の可能性が高いことがわかりました。

YUY01J:深センの企業「质友精密」製のマイコン?

「YUY01J」と刻印された6ピンのチップは、深センの企業「质友精密」製のマイコンである可能性が高いことがわかりました。 Googleでは検索結果が出てこなかったのですが、Baiduで検索すると情報が出てきたそうです。

基盤のマイコンを特定!

基盤には、「YM200HS-3 210326」と「SY3511D2048A591711D」という文字が書かれたチップがありました。

YM200HS-3:生産管理用?

「YM200HS-3」は、おそらく生産管理のためのロット番号ではないかと考えられます。

SY3511:充電用マイコン!

「SY3511」と刻印された8ピンのチップは、データシートから充電用のマイコンであることがわかりました。 このマイコンは、モバイルパワーコントローラーとして機能し、バッテリーの充電を制御しているようです。

モバイルバッテリーの充電アルゴリズム

モバイルバッテリーの充電は、以下の3つの段階で行われます。

  1. トリクル充電:非常に低い電流でゆっくりと充電します。
  2. コンスタントカレント充電:大きな電流で充電し、バッテリーの電圧を約80%まで上げます。
  3. コンスタントボルテージ充電:一定の電圧で充電し、電流を徐々に下げていきます。

まとめ

夜鍋ヨナさんの発表では、1300円のモバイルバッテリーを分解して、その内部構造や部品、充電制御の仕組みについて詳しく解説してくれました。 分解を通して、USB Type-C、microB、Lightningそれぞれのケーブル構造の違いや、マイコンの特定、充電アルゴリズムまで知ることができました。 モバイルバッテリーの内部構造や充電の仕組みを知りたい方は、ぜひ今回の発表内容を参考にしてみてください!

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